柴犬タロのホームページ

☆☆☆ こちら まーちゃん工務店☆☆☆

まーちゃんの日曜大工ネタを公開させていただいています。
みなさんの何かのヒントや参考になれば幸いです。

070715
特別番外編 ステルウォーズ

オープニング (軽量版) 音付き通常版(6.5M)

第一話
未来伝説

てなわけで、タロウさん宅の二階には昔の大型テレビがあります。このテレビ、寸法的にも重量的にもベランダや玄関から簡単に入る代物ではありません。(50インチ99s)
新しい家の二階の部屋にどうやって入れたかというと、建設中(窓枠やベランダが付く前)に大工さんに入れてもらったのです。
テレビが古くなって買い直すときどうやって家から出すのか? そのことも一応まーちゃんは考えていました。その方法とは…
「未来に託す」ということでした。
「20世紀の科学力ではムリかもしれない。しかし、21世紀になれば、透明なチューブを走る列車やタイヤのない自動車が走る時代がやってくるのだ。大きめのテレビの一台ぐらい簡単に処理できる時代になるはずだ」と。
時に2007年初夏。21世紀も数年が過ぎ、このテレビもその役目を終え廃棄する時がやってきたのでした。

ところが、21世紀だと言うのに、どこを探してもチューブを走る列車も空を飛ぶ自動車もありません。そして「大型テレビを部屋から出す方法」も開発されなかったのです。
それどころか、リサイクル法なる法律が施行され、テレビなどは自治体で引き取ってもらえなくなっていたのです。

どうしよう…。途方にくれたまーちゃんでしたが、ある答えに到達しました。
「一人の人間が持てる重量まで分解して窓からロープでおろし、外で再度組み立ててテレビとして業者に引き取ってもらおう」ついにプロジェクトは発動しました。あとはこれに向けて突き進むだけだったのですが…

<<次回予告>>
分解を決意し、引き取り業者の選定を開始したまーちゃんでしたが、何やら「タライ回し」のかおり。次回ステルウォーズ、「跡を継ぐ者」お楽しみに。

070726
第二話
跡を継ぐもの

近所に不要になった家電を引き取ってくれる業者があるのだが、何となく声をかけにくい感じで、料金も高そう(普通のテレビで5千円とか)。
ここはまず正攻法で自治体から調べてみよう。
横浜市のホームページによれば最終的にメーカーが処理する様子。まずはメーカーに問い合わせ。
電話で聞けば、「リサイクル法施行前の製品なのでメーカーでは引き取れない。自治体に問い合わせてほしい」とのこと。
なにやらタライ回しの香り
再び横浜市のホームページに戻り、問い合わせ先を調べていると、リサイクル法に該当しないテレビの処理についての記載を発見。
横浜市そのものでは回収しないが業者に委託しているらしい。
早速業者に電話で連絡。料金は1700円+運搬費1000円とのこと。リーズナブルな費用。近所の業者にしなくて良かった。話はトントン拍子に進み、いよいよ回収を依頼しようとしたところで、念のため確認の質問。
「部屋から出ないので一旦解体してますけど良いですか?」
「??…大きさはどのくらいですか?」
「50インチです」
「それはプロジェクションTVではありませんか?」
「はいそうです。」
「うちではプロジェクションTVは引き取れないんですよ」
「!…」
またも横浜市のホームページへ。どうやらテレビというジャンルで調べていたのがまずかたらしい。別に「プロジェクションTV」という項目があった。(普通気が付かないと思うが…)

ついに最後のボスキャラ、「お役所」に電話。
「はいはい。プロジェクションTVですね。郵便局等で200円の処理費をお支払いください。来週の土曜の朝に取りに伺います」
・・・プーップーッ・・・(かちゃ)
何のことはない。最初からここに電話すりゃよかったのだ。しかも200えん。運搬費も不要。ほんとうだろか?

− 分解 −
手はずは整った。背水の陣である。この後、どんな困難が待ち受けようが、このテレビを部屋から出さなければならない。
そして、・・・困難は起こった。
手始めに、後ろのパネルを開け、大きなミラーを取り外す。
次に安全のため高圧回路を撤去。電源を切っても数万ボルトの高電圧が残っている可能性があり、業界人のまーちゃんとしてはもこれが一番イヤな作業である。(過去にレーダーのCRTで感電したことがある)
専用の道具もないので、絶縁性の高そうな、枝切り鋏で高圧ケーブルを切断。どうやら残電圧はなかったようである(枝切り挟みの柄が木製とは言え絶縁性は保証の限りではない)。主要な電気回路を撤去し、巨大な木箱の解体にかかる。
想定される構造は、大きなネジで厚い合板が留められており、それを緩めればあらかたバラバラになるはずだった。
しかし、テレビの中を探してもそんなネジは存在しなかった。
脳裏をよぎったのはダボと接着剤である。
もしこの予想が当たっているならば、バールやハンマーで破壊するしかない(もはや分解はできない)。こうなれば室内での解体は無理である。…しかし、このままでは部屋からは出ない。ベランダを外すか?

<<次回予告>>
次から次へと想定外の困難がまーちゃんを襲う。どうするまーちゃん!次回ステルウォーズ、「科学の勝利」お楽しみに。

070801
第三話
科学の勝利

部屋の中で手荒なことをせず巨大な木箱を解体する方法…。そんな方法が存在するのか?。
絶望がまーちゃんの心を満たそうとしたそのとき、一つのアイディアが頭に浮かんだ。「そうだジャッキを使おう」テレビ内部にタイや交換用のジャッキを据え、中から少しずつ力を加えれば、接着剤がはがれてバラバラになるはずだ。
作戦は早速実行に移された。車からジャッキが用意された。ジャッキを伸ばした長さだけでは天井までとどかない。足らないところは鉄パイプを挟んだ。
ジャッキのクランクが回され、ジャッキに押し上げられた鉄パイプが静かにテレビの天井に達する。そしてこのテレビが経験したことのない力が床と天井に加えられた。
「ミシ、ミシッ」巨大な木箱からは不気味な音がし始める。手応え十分。そしてその数秒後・・・

「バゴ〜ン」家中に響き渡る木箱の悲鳴(続いて、一階をおろおろ歩き回るタロウさんの足音)。
21世紀科学の勝利の瞬間である。
しかし、20世紀製のタロウさんがこれでは作業が続けられない。やむなくおばあちゃん宅に預けることに。
さぁこれで、まーちゃんの前に立ちはだかる物はなにもない。ジャッキを使ってひたすら解体。ミシミシ…バキィ。
天板18Kgサイドパネル15kg。ロープを使って安全に二階から下ろせる重量はこの辺が限度。
最後の土台は20Kgを超えていた。しかし、これ以上分解すると復元ができなくなりそうだ、これはこのまま降ろすことに。
ついに二階の部屋からあの大型テレビの勇姿は消えた。

<<次回予告>>
ついに部屋から大型テレビを出すことに成功したまーちゃんであったが計画どうりに引き取ってもらえるのか?次回ステルウォーズ「イリュージョン」お楽しみに。

070715
第四話
イリュージョン

最後の仕上げである。バラバラになったテレビを再度組上げる。
無理やり引き抜いたダボをハンマーで叩き込む。先ずは土台と右パネル。少々ぐらつくがしばらくの間、箱の形をとどめていてくれれば良いのでこれで良しとしよう。
次は左側。位置を決めハンマーで打ちこむ。ガンガンガン…メリメリ、バタン。
さっき打ちこんだ右側のパネルが外れてしまった。もう一度、右側を打ちこむ。左が外れる。こんなことをしているうちにダボの穴がゆるゆるになってしまった。
それだけではない、ジャッキの力に負けたのはダボと接着剤だけではなかったのだ。パーチクルと呼ばれる板でこのテレビの箱は作られていたが、こ の板そのものがダメージを受けていたのだ。小さな木片を押し固めただけのパーティクルには見た目以上に細かい亀裂が入っており、モロモロと端から崩れてゆ く。

−もう再生は不可能だ−

やむなくばらした板やスクリーンを土台の上に積んでゆく。積まれた大きなミラーを覗き込めばそこには初夏の青空が映っていた。

なんの対策も立たないうちに約束の日になってしまった。
仕方なく、指定された場所にバラバラのまま運ぶ。「形があればテレビとして回収できるが、バラバラなのでこれはテレビではない。従ってこれは回収できない」とか、回収されない不安があたまをよぎる。
今日は生ゴミ回収の日でもある。カラスがゴミを周辺に散らかすので、解体したテレビにブルーシートをかけておくことにした。

そして約束の時間が迫まり、テレビにかけたブルーシートを剥ぎにゆく。
しかし!何としたことか!。そこにあったはずの解体されたテレビの姿がないではないか!。ただ何事も無かったようにブルーシートが夏のそよ風にゆれているだけだった。
まるでマジックショーを見ている気分のまーちゃんであった。
アリガトウ・ヨコハマシ

−終わり−

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(こう言う注意文言書かないといけないのって、ちょっと悲しいですけど、ご理解ください。m(_ _)m)